いまさらですが、相模大野に後藤真希のライブを観に行ったのでその感想を。


噂どおり、アルバム『3rdステーション』を主軸とした比較的落ち着いたセットリスト。従来の燃焼系のステージを求める向きには食い足りない部分があるのかもしれません。しかし、アルバムを引っさげたツアーであることを考えると妥当なのではないでしょうか。その肝心のアルバムがなあ・・・という愚痴はさておき、十分に意欲的な選曲であったように思えます。どうせなら『渡良瀬橋』と『LOVE LIKE CRAZY』も、と言いたくなるところですが、その分、ハロプロでは黙殺されがちなカップリング曲が聴けましたので不満はありません。また、昨年と比較すると演出が簡素にはなったけれど、大きなミラーボールやスモーク、その他の特効など随所に工夫がなされていましたので、個人的には申し分ありません。というか、すげーすげーとフツーに喜んでました。身内での比較なぞ無意味だと承知してはいますが、安さの極北を闊歩しており、それはそれでカッコいいけれど思わず失笑してしまったハロプロ☆パーティ〜及びNEOとは大違い。偉い。あと、音響に閉口することの多いハロプロ関連にあって、少なくとも相模大野ではその点が改善されていたことも付記しておきます。


ブツ切りになりがちだった力んだ歌唱が影を潜め、歌声に柔らかさが出てきたような気がします。ふいにグッと引き寄せられ、息を詰めて見入ってしまう感覚とでも申しましょうか。それは彼女の歌声の魅力にほかならず、質は違えども、中島美嘉のそれを彷彿させる場面が何度かありました。『スッピンと涙』は、静寂の間も含めて絶品。従来の歌唱を控えたのは半ば意図的なものではないでしょうか。ダンスも大胆さよりは細やかさを優先した印象があり、そんなツアーなのであろうと自分は受け止めました。とはいえ、落ち着いた曲が続く前半と畳み掛ける後半の切り替えは鮮やかで、これぞ後藤真希だと感じ入ったものです。カッコいい。最後に『スクランブル』で締めるのも乙なもんです。その反面、音程に関して所々で危うさが耳についたのも確かで、あれっと思った場面もないわけではないのですが、中島美嘉と同様、それは魅力として捉えられるものですから神経質になることでもありますまい。
余裕を感じさせる少し大人びた佇まいといい、丁寧な歌唱といい、これまでとは一味違う後藤真希を観ることができました。繰り返すように、これは半ば意図的なものでしょから、これから如何ようにも変化していくことでしょう。意義あるツアーとして記憶に残るに違いありません。それにしても、やっぱソロのライブはいいよなあ(遠い目で)。今日のも観たかったけれど、いかんせん気づくのが遅くてチケットが・・・。