「女の子ではなく女になりたい」と真顔で述べる松浦さんには申し訳ないのですが、以前にも述べたように、谷村有美のカバー曲である『あなたに出逢えて』を聴くと、ああ女の子なんだなあと実にオッサンくさい感想を漏らしてしまいます。一方で、いつになく肩の力を抜いたたおやかな語り口から、ほのかの女らしさも匂い立つよう感じられるようになったのだから不思議なものです。落ち着くにはまだ早すぎると思いつつも、彼女が物語の語り部たらんとしているためでしょうか、直情的な面が影を潜めていて歌い手よりも語り部という言葉が似合うように思います。
意識してのことではない気がしますし、ある意味で絵に描いたような女の子像に共感を示す類いの言葉を口にすることはなく茶化すばかりでしょう。だからこそ現在の松浦亜弥のリアリティが醸し出されているように思えてならず、折にふれて耳をそばだててしまいます。恥ずかしがるポイントが少しずれてはいまいかと苦笑いすることもあれど、自分の想定外だったいう意味も込めて今年の松浦亜弥の楽曲大賞は『あなたに出逢えて』を選びたいと思います。


そんなことをつらつら考えていたときに、松浦亜弥谷村有美のライブにサプライズゲストとして出演したとの報を耳にしました。『笑顔』と『あなたに出逢えて』を谷村さんとデュエットしたそうです。
思い返せば、松浦さんと関わったのをこれ幸いにと、山下洋輔、日野晧正、村田陽一オーケストラ等のライブに足を運び、ゲストとして姿を現すのではないか、あるいは観客の中に紛れ込んでいるのではないかと、さして広くない会場を眺めまわしていたものです。お門違いなのは承知の上で、そのつど少し落胆したのを告白しておきます。自分が好む類いですから気軽に赴いたとはいえ、そこに下心があったことをお詫び申し上げると共に、まるで反省しないことをここに誓います。当然ながら谷村有美のライブにも足を運ばねばと思ってはいたのです。そりゃゲストとして出演する可能性があるとすれば谷村さんだわな。ちまちまと外堀を埋めていたつもりが全くもって外堀ではなかったこの切なさをいかに表現すればいいでしょうか。そもそも外堀ってなにかね。


さて、ひがみ根性丸出しで幾つかのレポを拝見しましたが、おおむね好意的に受け入れられていたようでした。松浦さんの歌が褒められていると我がことよのように嬉しくなってしまいます。しかも谷村さんに随分と可愛がられていたらしい。観客の多くが谷村有美を見物に来ているのですから、付け足しに一言だけ触れているのが多数なのは当然のことですが、中には詳細なレポを記しているブログもありました。そこの筆者はどうやら谷村有美松浦亜弥の両名のファンのようです。さぞ至福の時間だったことでしょう。むきー。次に繋がればなどとセコいことは申しません、ただ松浦さんにとっても貴重な体験となったのであればそれだけで嬉しいなあ。
弦一徹ストリングス隊を率いた結構な数のライブで音響も抜群だったとのことです。うぬぬ、松浦さんが出演せずとも観たい。前々から申しているようにハロプロのライブの音響の劣悪さは他に類を見ないほどですから、音響の点だけとっても気持ちよく歌えたのではないかと悔し紛れに想像してみます。消費者のみならず演者をも愚弄するかのような音響やCDのヘボ音質に自分は信用を措いていません。作り手こそが一番知っているはずなのに舐めんな。
愚痴っぽくなるので話を戻します。このライブの模様をDVD化すると谷村さんが述べていたようです。気さくな人柄ゆえの与太話である可能性が捨てきれず実現するかどうかは未知数らしいのですが、ここを便乗しそこねた我の乾いた心根に慈悲の雨を降らすべく是非ともお願いします。って今知ったのですが、12月24日の「日テレNEWS24年末特番」でライブの模様が放送されるみたいですね。やったあああああ。日テレありがとう。我がままついでに定期的に新曲出していただければ幸いです。
音楽ライブや舞台あるいは全くの別ジャンルなど分野を問わず機会があれば変に気取ることなく挑戦してほしいので、こうした機会が増えてくるのは大歓迎です。またぞろ妄想が明後日の方向にムクムクと膨らんでしまうのが困りものですが。