unbertipo Trioのライブに行ってきました。
今堀恒雄(G)ナスノミツル(B)佐野康夫(Ds)


現代音楽に片足を突っ込んだプログレジャズとでもいうのでしょうか。いつぞや藤原大輔のライブではキメがありそうで無い、と知ったような感想を述べたものですが、一転してこちらは至る所で複雑怪奇なキメが。聞くところによると、緻密な構成をもった楽曲が多いらしく、なるほどギターとシーケンサーらしきものを演奏する今堀恒雄を除き、ベースのナスノミツルとドラムの佐野康夫はしきりと譜面を気にしていたように思います。
おそらく三人ともバカテク。村田陽一オーケストラではいまひとつパッとしなかった、というかビッグバンド編成のわりに全体的に演奏が端整すぎるように感じられ、個人的にはピンとこなかったわけですが、それはともかく、今回はトリオ編成ということもあって佐野康夫のドラミングが大爆発しておりました。あちらこちらでその名を目にするため、多才な人だという認識はあったものの、ここまでアグレッシブに演奏するとは知りませんでした。所狭しと並べられたドラムセットもフル活用。ベースのナスノミツルは、涼しい顔で何やら小難しいことをしていたっぽく、緩急自在の演奏もさることながら、時折見せる早弾きが圧巻でした。かといって別に誇示するでもなく淡々としている様子は、楽器をたしなんでいる人達にはどう映るんでしょうかね。そして今堀恒雄。この手のモノにありがちな垂れ流しになることなく(それはそれでアリですが)、曲の構成を優先し、それに殉じていたような気がします。異端の正当派。いかに鋭利でトリッキーなフレーズを弾こうとも、これみよがしな印象は受けず、また音色が綺麗なので耳に心地よいのです。で、3人の呼吸がピタリと合って・・・と続けたいところですが、知識も感性も乏しいもので自分にはよくわかりませんです。なにはともあれ、テンポが速かろうと遅かろうとスピード感が抜群。めまぐるしく変態的に移ろうリズムに、そのつど、すわ変拍子かと身構えてはみるものの、自分に数えられるはずもなし。一方で、基本的な拍子自体はほとんど変えていないという情報を事前に仕入れていたものですから、却って腑に落ちず、ますます混乱する羽目に。下手な考え休むに似たり、よって詰まらぬ思考は早々と放棄したのでありました。南無。結論を申しますと、やっぱりよくわからなかったということで。かっこよけりゃ何でもいいのよ、と開き直って締めと致します。わはは。