ニュークラシックソウルで知られるマクスウェルの作品は例外なく上質だと思うのですが、ひとつだけ挙げるとすれば、1作目の『
Maxwell'sUrban Hang Suit』になるでしょうか。変幻自在なファルセットを駆使した艶のあるヴォーカルと端正なコーラスワークが冴え渡っています。一時期、
平井堅が同じような髪型にしていたような気がしますが、彼の美声を黒光りするまで磨き上げたような歌声と評せば当たらずも遠からずといったところでしょう。メロウなベースを中心として生演奏で構成された珠玉のミディアムファンクは、
マービン・ゲイの『I Want You』に優るとも劣らない官能的で密室的な響きを有しており、聴く者の心を捉えて離すことがありません。今の季節にぴったりだと思います。なお、
シャーデーでお馴染みのスチュワート・マ
シューマンと、エロ職人
リオン・ウェアが参加。