自分に自信が持てるようになった。そう述べた日の情景は今も眼の奥底に焼きついて離れることがありません。会場を埋める1万人近くの観衆と比した刹那、こんなに小さな人だったのかと、改めてそう思いました。その一方で、いつの間に大きくなってしまったのだろう、と奇妙な感慨に耽ってしまったのでした。不遜な物言いになるのかもしれませんが、まるで自分の手から離れてしまったかのような一抹の寂しさを覚えてしまったのです。不思議と熱いものが込み上げました。心中で自嘲しながらも留まることはなく、今となってはそれが嬉し涙だったのかどうかすらわかりません。きっと何かが終わり何かが始まったのです。思えば、その胎動を自らの皮膚で感じたのは、忘れもしない、今年の春ツアーのNHKホールでのことです。そして遂に躍動を始めるまでに至りました。深い闇の中で細き糸を手繰った季節を経たからこそ体感しうる陽光があり、その温かな輝きは眼前に広がる可能性の道をこれからも照らし続けることでしょう。

待つのは嫌いじゃない。
待っていようと思った。
遠くから橋を渡って来るのを見ていようと思った。
美・少女日記」より


上記の言葉で締める予定だったのですが、もはやその言葉が適当でないことに思い至りました。
自分は歩み行くその姿を遥か後方からただ見つめるだけなのですから。キモイなぁ。