渡良瀬橋』を購入しました。まだ一聴しただけですが、とりあえずの感想を述べておきます。


言葉になりません。これが松浦亜弥にとっての『渡良瀬橋』なんだなぁと思うだけで涙が出そうになります。
オーソドックスなアレンジほど、手抜きをすれば顕著に表面化してしまうものですが、その心配は全くありません。森高千里のカバー曲であるゆえに、原曲の持つ世界観を損ねないよう十分に配慮されていることは連ねられた錚々たる演奏者からも覗えますが、そこで生まれた真新しいキャンバスをそのまま彼女に提示したことが功を奏したように思えます。
彼女は万感の想いを込めて、瑞々さと枯淡の同居する淡い色を添えていきます。
浮かび上がる風景。こぼれおちるメロディー。優しい風に吹かれる甘美な追憶と感傷。脳裏に浮かぶそれぞれの原風景。そして、細部に宿る無数の想いは、歌声に優しく包み込まれたまま夕陽の中に溶けていくのです。
ライブで聴いた時の感激がいまだ強いけれど、出来栄えに納得がいかず自身で3回ほど録り直したといわれるCD音源も負けず劣らず素晴らしいものがあり、物真似に終始してしまうのではないかという自分の危惧は杞憂に終わりました。少しコブシの効いた歌声は幾つもの風景を想起させ、森高千里が歌い伝えた世界観とは異なる風景をそこに現出させています。
松浦亜弥の『渡良瀬橋』。


C/Wの『I LOVE YOUの続き』も言うことはありません。
妙に目立つベリーズ工房の面々のコーラスや、「イエー」だの「フー」だのといった掛け声(?)は個人的には不要だと思いますが、それを補って余りある完成度であります。4つ打ち風味の低音リズム群の音圧は重厚でありながら適度でうるささを感じさせません。ハロプロの楽曲にありがちな、時に空間恐怖症かと思わせる、とりあえず隙間を埋めてみました、といった感がなく最後まで心地よく響いています。特に間奏におけるブリッとした触感のベースがツボです。シンセストリングスとの絡みも良いと思います。タイトル曲と謳われたとしても何の違和感もない楽曲でありましょう。
これまで個人的にピンとこなかった編曲者としての平田祥一郎の株が急上昇。現金なものです。それにしても、つんくはマジです。そこまで松浦さんがかわいいか。愛されてるなあ。


本当にキレイになったなあ。大人になるんだなあ。おじさんは嬉しい。あかん、また泣けてきた。
いつか、最近の彼女の言動をからめつつ、脳内で勝手に物語を組み立てて詳しく述べたいと思います。