渡良瀬橋』以外にも幾つかのCDを購入。メモがてらに。


『Legend』 中島美嘉
今回が初めてではないのですが、物欲に屈してレーベルゲートCDに手を出してしまいました。
タイトル曲の『Legend』は2パターン収録されており、一方はドラムンベース(?)を組み合わせたアレンジ。通常だとバラードには食い合わせが悪いように思えるのですが、不思議と調和していてかっこいい。Coldfeetの手腕なんでしょうね。もう一方は、お馴染みの富田恵一によるアレンジ。正統派かつドラマチックなアレンジに関しては、いま彼の右に出るものはいないのではないでしょうか。水も漏らさぬ鉄壁のサウンド。グウの音も出ません。
c/wの『Fake』は激シブのブルース&ジャズ。ムード満点のサックスを演奏しているのは宮崎隆睦。今度「夢・音楽館」で実際に共演するんだとか。他にも金原千恵子ストリングスやら山本拓夫やら村田陽一やらと、泣く子も黙る一流どころがズラリと揃っております。いつものことではあるけれど、やたらに豪華であります。


歌は相変わらず下手なのですが、マイナスではなくプラスへと転換してしまえる魅力が彼女の歌声にはあります。それも、その魅力を遺憾なく発揮させうる強力かつ正確無比なサポートがあってのこと。聞くところによると、まずは300近くの楽曲の中から候補曲を30程度に絞り込み、それ以降は本人も選曲過程に介在して最終的に決定していくのだそうです。歌い手の半歩先を行く楽曲を常に提供しながらも、ポップスとしての着地点を見誤ることがなく独りよがりに陥ることがないのは、こうしたシステムがあるからなのでしょう。その上で、無理なく背伸びを強要しているところがミソだと思います。そりゃ人気もでますって。


『Real Gone』 Tom Waits
これ以上潰しようのないダミ声と頭のおかしいサウンドが不穏に絡み合い、狂気と気だるさが横溢するトム・ウェイツ独自の世界が構築されています。本作では彼の代名詞であるピアノが使用されていません。そのせいなのか、良いのか悪いのか判断に困る不気味なヴォイスパーカッションや、マーク・リーボーの奏でるヤサぐれたギターが一層目立っております。
彼のファンであるだけでは足りず、後期における訳のわからん作風も好きな方でなければ、即座に拒絶反応を起こしてしまうかもしれません。ひとたびその無二の魅力にハマれば抜け出せなくなることは必定ですが、あとは個人の趣味趣向に依りますし、アク自体は強いので決してお勧めはいたしません。少なくとも自分は大好きです。頼むから来日して。


Rendezvous』 Luna
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドルー・リードを彷彿させる、ストイックに贅肉を削ぎ落としたロッケンロール。演奏自体は至極シンプルであるように素人耳には聞こえるけれど、その実、再現は容易でなく、どこにでもいそうで実はあまりいないバンドだと思います。衝動買いなのでどこのどなたか詳しいことは存じ上げませんが、私的には今年度のベスト10に入りそうです。好き。


以上、本日の知ったかぶりでした。