密かに楽しみにしていた中島美嘉の新譜が、CDに似て非なる物体でありました。知らなんだ。
せめてもの抵抗として新品では買うまいと胸に誓いその場を立ち去ろうとした刹那、10万枚限定なる殺し文句が視界に飛び込んできました。しかもオフィシャルサイトにて購入者限定のライブ映像が拝めるという特典がついていると知ってしまったものだから、やむなく長考。またしても知らなんだ。まぁ限定発売であるとはいえ、すぐに中古でも出回るでしょうから格別慌てる必要はないのですが、それでも何だか腑に落ちない。いや、どうせいずれは買うんだけれど。


それにしても、期間限定の宣伝映像を流してみたり、アナログ盤を出してみたり、話題づくりも兼ねて着うた限定だったはずの楽曲を改めてリリースしてみたりと、なかなか商売上手であります。また、新曲もさることながら、今作には『雪の華』の別バージョンが収録されているらしい。おそらくそれが次のアルバムに収録されることはないでしょう。四の五のいわずに買えということでしょうか。あと最近になって気づいたのですが、ハロプロには遠く及ばないまでも、実は映像作品もチラホラと売り出されているようでして、容姿自体にはさほど興味がないはずなのに哀しいかなつい目で追ってしまいます。完全に踊らされてます。


話が逸れます。
リッキー・リー・ジョーンズか、キャロル・キングか、はたまたフィオナ・アップルか、との文句で売出し中のレイチェル・ヤマガタ。さっそく視聴したところ結構気に入ったのでCDを手に取ってみたのですが、そのCDの帯に書かれている文言を読んだ瞬間に熱が醒めてしまいました。「“癒しを超えた癒し”がここにある」。一瞬オッと思ってしまったけれど、よく考えてみれば意味がわからない。しかも、さほど癒されません。さては聴かずに書いたな。それとも自分の心が乾ききっているだけなのか。否、「癒し」を連呼しておけば何でも丸くおさまると思うべからず。
こうなれば坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、わざわざ“”を付していることも言い訳がましく感じられます。さらに、その前後の文章には「愛」だの「希望」だのサムい言葉が所狭しと散りばめられており、それが妙に大仰なので見ているこちらが恥ずかしくなります。そして、とどめは「衝撃のデビュー作」ときたもんだ。文字数に制限があるとはいえ、もっと他に言い回しはなかったのでしょうか。こんなんだから、前述した「癒しを超えた癒し」が、より一層薄ら寒く感じられます。野暮であるとは承知していますが、それにしても陳腐、マジメぶっているだけにたちが悪い。いいアルバムだとは思うけれど、この帯の文言を見て購入を躊躇した人が少なくとも5人はいるであろうと自分は推察します。誰が書いたのかは知りませんが、これはちょっとした営業妨害に相当するのではなかろうか、と勝手に心配しています。要らぬ心配ですかそうですか。


自分のことは棚に上げ、なんのかんのとブツブツ言うだけで結局は何も買わず。我ながら度量が狭い。単にケチなだけかもしれませんが。
このところ虫の居所が悪い。