僕らの音楽
100回放送記念とか何とかで生放送。幾つかのステージを設け、MCを一切排してテンポよくライブを繰り広げていました。一青窈さんの歌う『My Favorite Sings』が良かったでしょうか。そんでもって、いつのまにやらソイル&ピンプセッションが民放に当たり前に出演するようになったんですね。ハードバップと言ってしまえばそれまでなのですが、意味不明な悪ノリテンションが印象的で、ライブが面白かった記憶があります。また、塩谷哲と武部聡の連弾、押尾コータローやら溝口肇やらが出演するなど、毎度のことながら豪華な番組ですこと。ソニー1社による提供だからこそ為しうる贅沢さなのでしょうか。誰かハロプロから出演しないかなあ、マジで。このさい歌い手の話は措くとしても、冷静に眺めてみると、同番組であったピアノデュオとハロプロアワーのそれはもとより、スタジオライブと比較すると、演奏なり音の響きなりのクオリティが随分と異なるような・・・。ちょいと切なくなってしまいます。あくまで一聴した限りの印象ではありますが、なかなか難しいもんだ。合理的と申しますかドケチな事務所でございますから、何があるのかは知りませんが松浦さんのライブも予め期待値を下げておこうかしらんと、さっそく予防線を張りつつある自分が哀しくもあり、それ以上にワクワクしつつもあり。ふと気がつけば約1年ぶりのソロツアーですもんね、時が経つのは早いものです。泣いてみせますそうします。そういえば明日はエイプリルフールか。・・・えっ?




追記
・ピアノ+ストリングス4人。上モノだけを生演奏に変更したのは、現状では妥当ではなかろうか。それだけ楽曲の根幹まで生演奏にするのは危険性が高いということかな。それでなくとも、繰り返すようにハロプロの楽曲は忠実な再現が困難でありアレンジを大胆に変更しない限りは無理っぽいのだから、順当で前向きな妥協点ではないんすかね。個人的に予想していたよりも多く生演奏を交えてたから、むしろ感動したし。これから積み重ねていくことが大切。慌てずに先を急ごう。
・舞台装置はシンプル。装置が反転して演奏者が登場するシーンは、かつて強引に連れて行かれて観たビースティー・ボーイズのライブを彷彿させた。どうでもいい。せりあがる装置もあり。
・テキトーな予想があたり、少しの時間ではあるが松浦さんもピアノを弾き、連弾らしきことをしていた。当たり前ながらタッチというか音の差が歴然であり、まるで玩具のピアノのような音が鳴っていたような。副次的なものではあるがプロのピアニストの凄さが逆にうかがい知れた気がする。アホみたいな感想だけれども。松浦さんが楽しそうに弾いているので何の文句があろうか。いたずらっ子のような表情が年相応かもしれず、こうした遊び心があってもいい。ストリングスとの掛け合いもわずかながらあってライブを観に来たのだという気持ちにさせられる。カントリー娘。と共に披露する愛らしい振り付けや、彼女らのコーラスなど随所で些細ながらもアイディアが盛り込まれており、飽きさせない工夫がなされていたのではないだろうか。
・松浦さんの歌声が好調。歌い方が素直で声もよく出ていたように思う。初回は気負いが感じられたが、夜の部は生演奏コーナーのみならず絶品。つまり、遂に自分に課した禁を破って一日二公演を観てしまったのだが。抑制が効いているというか、しっかりとコントロールされている感があり、それでいてそこからはみだす良い意味での危うさや、零れ落ちれんばかりの切なさが滲んでいた。殊にアカペラからはじまる『LOVE涙色』の声の表情の豊かさといったら。正直こんなに歌えたのかと驚いた次第。強く歌い上げるだけが全てではあるまい、『渡良瀬橋』も生まれ変わっていたし、打ち込み音に馴染めずいまひとつ好きになれなかった『ずっと好きでいいですか』もいい感じだった。歌声から景色が浮かんだ、と発言したみうなさんの言葉は、あながちウソやお世辞ではないのではなかろうか。とにかく楽しそう。やはりライブありきの人だ。
カントリー娘。がおもろい。里田さんスタイルいい。みうなさんのキャラクターがとてもいい。みなコーラスで奔放に振舞っていたのが印象に残る。
・『砂を噛むように・・・NAMIDA』の音源が生演奏に準じてDVDのそれとはまた異なる音源に差し替え。同じく『気がつけばあなた』も録り直されているような。気のせいでなければドラムの余計な装飾音(?)がないように思えた。ミックスの変更には留まっていないような、いや、よくわからん。
・終焉後の鳴り止まぬコールがおもろかった。
・盛り上げる箇所の間に、今ツアーの目玉であろう生演奏コーナーをたっぷりとっている。中部分がU字に開いた青いドレス衣装で登場。歌い終えた後にテーブルのランプを消して立ち去る演出がしゃれている。代表曲をメドレーで収めていることからも魅せたいものがはっきりしており意志が明白で、それゆえにメリハリが効いている。しゃにむにアイドルを否定することなく、むしろ利用できるしたたかさを、そして上手く統合していける賢さを、と何様かということを勝手に主張している自分としては、こんなのもアリだと思うわけ。彼女がやりたかったであろうことの一部がやれているだろうから、そうしたメリハリを本人はさほど抵抗なく楽しめてるんじゃないかな。ただ、そのメドレーは欲張りすぎというか、ブツ切りでいまひとつだが、ええい、そんなもんは些事にすぎん。アンコールの際に、ジーンズにTシャツというラフな姿で現れたことに驚いた。一方で、胸に花をあしらった『ね〜え』の時のようなオレンジの衣装で現れたり、また終盤にかけての選曲に多少チグハグな感じがあって、もう少し最近の曲があってもよかったかなと思わないでもないが、やはり些事にすぎん。少しばかり背伸びした彼女と屈託なくはじける彼女の両方を観ることができ、危惧していた閉塞感も最小限に留められたのではないだろうか。相反するニーズに対応していたともいえそう。
すべて生演奏はありえないと自分は端から思っていたけれど、それを期待していた方であれば中途半端だとする意見が噴出するかもしれない。ただ、欲目丸出しで言わせてもらうと、現在なしうるであろうことの多くができているように思う。これをどれだけ待ち望んだことか、よくここまで漕ぎ着けたねえ、と恥ずかしながら自分は涙ぐんでしまった。ともかく意欲的なツアーとなっていることは間違いなく、聴きたかった曲を挙げればキリはないが、まだ探っている状態だと思うので今後さらに期待がもてそう。ストリングス隊も徐々に大胆になっていくことだろうし、より一体感が増していくに違いない。全員で作り上げているような印象を受けたライブだった。これも涙せずにはいられなかった完全ソロの松クリスタルとは態様が異なるので比較はできないけれど、うん、時間が短く感じられた。そう思った観客が多かったのか、最後の曲ですと紹介されたときの定番の「エー!」がひときわ大きかった。いいライブだった。っていうか、よほどのことがなければ全体の流れを細かく気にしない、よくわからない自分としては、生演奏部とそれ以降の後半部だけでお腹がいっぱい。文章がムダに長いなオイ。