僕らの音楽2。BoAさんの対談相手として、彼女の親友らしい松浦さんが出演。
デビュー時期や年齢がほぼ同じということもあるのでしょう、互いの砕けた口調から仲の良さが知れようものです。乗りかかった舟だと思い、目に留まった最近のBoAさんのインタビュー記事なぞを立ち読みしておりましたが、番組内でも発言していたように、過度にオンナオンナしておらずサバサバしているところが両者に共通しているのかもしれません。当然ながらテレビを意識しているに違いないものの、それでも見方次第では友人同士のありふれた会話と申しますか、いささか所帯じみた光景ですらあったように思います。公私の切り替えをして「スイッチオン」と称していたように、多かれ少なかれ温度差が生じるのは自然なことでしょう。それが仕事とはいえ只でさえ無理を強いるアイドル稼業、ファンにとってはラジオの喋りなどでお馴染みですが、肩肘を張らずにこうした佇まいを公に出せることの意味は小さくないように思います。


両者にあるらしい年齢詐称疑惑や整形疑惑を会話の肴にしつつ、一方で「アイドルかアーティストか」の話題も登場します。アーティストという言葉に何とも言えぬ居心地の悪さを感じるため、自分は努めて用いないようにしているのですが、別にさしたる意図はありません。どうでもいいだけです。ただ、一義的にアイドルがアーティストに劣るものだとは思っていません。確たる専門性を持たない、あるいは持たないと看做されるアイドルにしか為しえないことも多々あるのではないでしょうか。BoAさんは自身を「楽器」と規定しているようで、それを聞く松浦さんもまんざらではなさそうでしたが、いかなる言葉を用いるかはともかく、受け入れるだけではなく一切合財を再び積極的に肯定していけるようになるには、もう少し時が必要となるのかもしれませんね。何様かと。
ちなみに自分が松浦さんの未来像を勝手に妄想する際に頭の片隅に置いているのは、他人様のサイトで目にしたことがある松田聖子さんやaikoさんではなく、強いて言うなら小泉今日子さんだったりします。世代が異なるので詳細は知りませんが、大手ファンサイトのデータベースを参照したり、幾つかのアルバムを聴いたりする限りでは、アイドルというグレーゾーンを逆手にとって奔放に、軽やかに、臨機応変に、そしてクレバーに渡りきった人のような印象を受けます。まあ松浦さんとの共通点を無理矢理に探したところで、午後の紅茶オールナイトニッポンくらいしかないのですが、こうあれればいいなあと理想に思ったり思わなかったりしているわけです、はい。これに関しては、また述べることがあるかもしれません。


で、BoAさんのスタジオライブ。もっとキンキンとした歌声の印象があったのですが、いつの間にやら随分としなやかになってますね。『LOVE LOVE LOVE』と言えばダニー・ハザウェイの、ではなくドリカムのそれを本家と共演していました。CDを1枚も所持していないにも関わらず、個人的には『サンキュ』の方が名曲ではなかろうかと思い続けているのですが、なぜか生返事が返ってくるばかりで周囲から同意を得られたことが一度もございません。自分がずれているのか。それはともかく、簡素ながらもツボを押さえたアレンジが映えており、対談そっちのけで繰り返し見てしまいました。憧れの人である吉田美和さんと向かい合って歌うときのBoAさんの表情が何とも言えず幸せそうで、なぜか自分まで嬉しくなります。こういうの歌手冥利につきるんだろうなあ、いいなあ。良質な音楽番組だと思いますから、なぜか過去に一度出演している松浦さん以外で誰かハロプロから出演してほしいものです。