松浦亜弥のオールナイトニッポンに、ちょっとした異変発生。
深夜にも関わらずいつも溌剌としている彼女のテンションが過去に例を見ないほど低い。こんなときは無理にテンション上げなくてもいいんだよ、みんな共に落ち込もうではないか、と開き直る始末。開き直るのは毎度のことか。少しばかり痛々しく感じられる場面もありましたが、その一方で、なんとわかりやすい人なのかと思わず感心してしまいました。我ながら悪趣味だとは思いもするけれど、こういうのも可愛げがあっていいですな。アイドルらしからぬ驚くまでの実直さ。落ち込むときはどこまでも落ちる、と公言して憚らぬ彼女の有限実行さ。彼女の身に何が起こったかは自分の知るところではありませんし、当然ながら明確に口にすることはないとはいえ、それにしても以前から何でも話しすぎではあるめえか。ちきしょー、ギュッと抱きしめたくなるぜ。キモい。もしかすると現在のハロプロの中で、良くも悪くも最も人間くさいのは彼女なのではないでしょうか。実は松浦さんは情が深くて気遣いの人なのよ。誤解されがちだけど実に素直な人なのよ。いや知らんけど。


テンションが下がるメールと、そのときに聴きたい鬱な曲募集ということで、リスナーからそれらしき便りが寄せられます。公共電波の私物化バンザイ。で、選曲されたのは、森田童子『ぼくたちの失敗』、オフコース『さよなら』、井上陽水『最後のニュース』、そしてスタッフからは、大江千里『かっこ悪い振られかた』・・・。最後のは落ち込んでいる松浦さんを励まそうとして、カラオケで友人がモノマネで歌ってくれた曲なんだそうな。にしてもこの流れは、善意に溢れているのか、はたまた悪意に溢れているのか。ともかくパーソナリティーとリスナーが見事に同調しています。実際、徐々に声に張りが戻ってましたし。素晴らしきかな。よっしゃ鬱曲なら自分に任せとけ、それに卑小ながらもテンションの下がるような体験談なら掃いて捨てるほどあるぜ、と哀しく色めき立ったものの、録音して後から聴いたのでメールを送ることは叶わず。一度も送ったことないけど。極めつけは『渡良瀬橋』。人生最大の壁にぶつかって悩んだ、という述懐を幾度も耳にして、ファンの方なら気を揉んだことがあるでしょう。深く詮索するほど無粋ではないつもりですし、そうした知識も持ち合わせてはおりませんが、それにしてもこの曲は意味深です。ところで、『ぼくたちの失敗』の歌詞で、天才・奇人アルトサックス奏者のチャーリー・パーカーが登場するのですが、その箇所を松浦さんが口ずさむ場面がありました。彼女の口からチャーリー・パーカーの名が発せられる日が訪れるとは思いもしませんでした。でも彼の演奏は躁の権化でありますので鬱なときに聴くことはお勧めいたしません。最近のお気に入りなんですよ、てなことになれば、それはそれでシュールで面白いけれども。どうでもいい。


どうしようもなく落ち込んでしまったときは、下手な慰めの言葉よりも、おめーアホじゃねーのと叱咤し笑い飛ばしてくれたほうが、かえって安らぐことがあるものです。前回の続きではないけれど、てめーにわかってたまるか、とその刹那は憤慨したとしても、その実、随分と救われていたりするものです。僭越ながら、自分の乏しい経験則からそう思います。睡眠時間が十分に取れないと漏らしていた『気がつけば あなた』のプロモーション期から引き続いて激務をこなしていると推察されますから、ままならぬことも多々あるのでしょうし、また愚痴をこぼしては自己嫌悪に陥ってしまうこともあるのかもしれません。もちろん真相はわかりません。でも、気持ち悪いことを言うようですが、松浦さんが笑うならば自分も喜びますし、松浦さんが悲しめば自分は勝手に心配してしまうのです。そこに意味などありません。ファンなぞそんなもんです。ときには落ち込むことも必要なのさ、きっと。がんばれ、などと偉そうなことは申しません。DEF.DIVAも控えてますし、そうでなくとも松浦さんなら大丈夫でしょうて。自然な笑顔が戻るのを待ってますから。我ながキモすぎる、削除モノですな。