『絶望グッドバイ』 藤井隆
タイトル名だけでドンブリ三杯は軽い。作詞:松本隆、作曲:筒美京平の名で三日は水だけで暮らせます。
ワウギターとアコギの幸福な邂逅。どこかで聴いたような仰々しいシンセ。先が読めすぎる展開。ムダに深刻ぶった歌詞が泣かせます。今日び「粉雪がタンゴ踊ってる」や「希望のマッチ擦る」など滅多にお目にかかれるものではありません。そして何よりも藤井隆の歌声が素晴らしい。相手に悟られぬよう懸命に平静を装ってはいるのですが、心中ではむせび泣いているのです。嗚呼、昭和のダンディズム。やや現代的すぎるところが惜しまれるところであり、もっとダサければさらに良いと思ったのですがどうでしょうか。知らんけど。
むぅ、日本人の魂を揺さぶってやまない粋な歌謡曲であります。これを癒しと呼ばずになんと呼ぶのか。
自分のカラオケのレパートリーに加えさせていただきますので、この手の楽曲を松浦さんにあてがうことだけはどうかご勘弁ください。