突然思い立って、クラムボンのライブを観てきた。
結論から言うと、自分が観てきたライブの中でも屈指と思える素晴らしいライブだった。フィッシュマンズの『ナイトクルージング』のカバーに感激。また、アンコール後のラスト曲が、自分の好きな『Folklore』であったことにも感激し、嬉々として合唱に参加した。約3時間の長丁場であったけれど、刻々と変化する風景を眺めることのできる野外ならではの贅沢を味わえたこともあり、少しも長いとは思わなかった。
約3分の1の楽曲がわからなかったことが、重ね重ね残念である。誰のせいかというと自分のせいであるから文句は言えぬ。早速ファンになったので、CDを購入しようと思う。ロクにCDも聴かずにライブに行きやがって、というお叱りは勘弁。
いずれ、ライブの内容についてまじめに書く予定、多分。ともかくセットリストを知りたい。


(以下はライブレポに非ず。ただの日記であるが、せっかくなので載せておく。)
思い立ったが吉日。唐突にクラムボンのライブが観たくなったので、会場である日比谷野外大音楽堂へと旅立つ。肝心の当日券が売り切れてはしまわぬかと不安に駆られ、息を切らして発売時刻の30分前に現地に到着したのだが、開場の一時間前であるためか人はまばらであった。実にのどかだ。
会場前にたむろする屋台だけは準備に余念がなく、暑さも手伝って、けばけばしい色をしたカキ氷を空しく喰らうはめとなった。あと、以前にROVOのライブを観に来たときもそうであったが、ここの焼きそばの屋台は常に大盛りを連呼している気がしてならない。終演後などは特にやかましいのだけれど、他と比較しても、目を見張るほどの差異はない。だからどうした。
野外であるから当然といえば当然であるが防音システムなどないので、外からでもリハーサルの音が明瞭に聴こえる。したがって文無しであっても、音だけではあるにせよ無料でライブが楽しめることに気づいた。ただし余程の暇人でない限りは、まず実行には移すまい。リハまで聴けて得した。


そうこうするうちに、当日券が売り出された。札束で表すならば3、4百万円くらいの厚さほどの当日券が机上に積み上げられており、受付の人が意味ありげに束の中頃からチケットを引き抜いて手渡す。その分厚さから察するまでもなく、慌てる必要は微塵もなかった。
肝心の座席であるが、数時間前に思い立って当日券を求めた人間が贅沢を言ってはいけないと思いつつも、何もそんな端っこに追いやらなくてもと思うほどに見事に端っこであった。ただし、ちょうどドラマーである伊藤氏を真後ろから臨む席だったため、バスドラを踏む様子を含めてその一部始終を観察することができた。ドラムをたしなむ者であれば狂喜したに違いないが、自分にはさっぱりわからない。


1回目のアンコール後、指定先で事前にダウンロードした着信音を鳴らしながら、ライブ中に皆で携帯電話を掲げるという目玉企画が実行された。そこかしこで明滅する光を見てベース奏者のミト氏が「ジャニーズみたい」と大喜びしており、こちらまで嬉しくなる。けれど、さすがに全員に浸透しているわけではなく、音を出しているふりをして慌てて携帯を取り出す人も中にはいた。かく言う自分は途中で電池が切れたので人のことは言えない。ふと、ソニン嬢のライブを観に行った原田嬢が、観客の熱気に驚いた(良い意味で)と発言していたことを思い出した。どうでもいい。
さて、その企画である。感動的であったことは否定しないし、ジャニーズがどうなのかも知らないけれど、あやや嬢のライブにおけるサイリウム群を見慣れている者としては、さすがにそこまでは思わなかった。また、電車内では目立って仕方のない着信音も野外ではかたなしであり、やや中途半端に終わった気もするが、観客が能動的に参加できるこの企画は素晴らしいと思う。いや、ケチをつけるつもりは毛頭ない。誰よりも感動していたのが、おそらく自分だから。