Japan Blues Carnival 2004@CLUB CITTA' (壱)

出演:Otis Rush、Mavis Staples、The Drek Trucks Band


友人に誘われるがままに何の予備知識も持たずジャパン・ブルース・カーニバルを観に行ってきました。どのライブを観ても一様に素晴らしいとしか評せない語彙乏しき自分であります。しかもブルースのブの字すら知らない有様ですので信憑性に欠くこと甚だしいのですが、やはり素晴らしいライブでした。辛うじてオーティス・ラッシュの名前を知る程度であったのが幸いしたのでしょうか。妙に斜に構えることなく単純に楽しめたような気がしています。


現在のオールマン・ブラザーズ・バンドのギタリストでもあるらしいデレク・トラックス率いるザ・デレク・トラックス・バンドの演奏で幕を開けます。
日の丸のハチマキを頭に巻いたドラマーのバシャバシャした演奏と、懸命にシャウトしているわりにはあまり声量のないヴォーカルには萎えましたが、デレク・トラックスのスライド奏法にはそれらを補って余りある魅力がありました。MCのゴトウゆうぞう曰く、他のミュージシャンがステージの袖から興味津々に覗き込むほどの腕前だとか。
ロングトーンを多用せずに小刻みなフレーズを好んで用いており、スライド奏法とはいってもCD音源だと一聴してそれとは判断しがたい、そんな独特の奏法だったように思います。そのためか、ブルースと聞いて真っ先に思い浮かべるような情念に満ち満ちた楽曲は少なく、ロック寄りで景気のいいブルースが大半を占めていました。若さ溢れるかっこよさとでも言いましょうか、コッテリとしていないので耳に馴染みやすく、すぐさま会場は熱を帯びはじめます。
唐突にフルートを吹きはじめるキーボード奏者や、変拍子(5拍子?)を通過した後に一気に加速するリズムなど随所に見せ場が用意されてはいながらも、総体としては、読んで字の如くデレク・トラックスのためのバンドであったような気がします。


次回につづく。