スタジオライブのDVDを生バンドで取った撮ったのがきっかけとなりまして、まあ今回のコンサートに繋がっちゃったりするのかなあみたいな。
全く違った新しいことをしているので、これは今後に色々と繋がっていくんですけれども。

松浦亜弥のオールナイトニッポンで、上記のような生演奏を匂わせる発言がありました。これだけでは何とも言えませんが、スタジオライブを引き合いに出していたことや、リハに追われて緊張しっぱなしだと連呼していながらも言外に意気込みを滲ませていたことから妄想するに、その可能性が高くなってきたように思います。何かしら新しい試みが為されることはまず間違いないでしょう。


生バンドに固執して語気を荒げて書きなぐっていた時期がありました。が、個人的な感情で言えばやはり「カラオケ」は良くも悪くも異例であり続けるとはいえども、実は現在は以前ほど執着しているわけではありません。その要因のひとつとして、生演奏にするのであれば別にハロプロである必要がない、それならば他のライブを観に行ったほうがいいではないか、と友人に諭されたことが挙げられます。CD音源とライブのそれは似て非なるもの、あるいは全くの別物だという思い込みが自分にはありまして、完全に再現されることに自分たちは慣れすぎているのではないか、という感情的な反論の言葉を飲み込みながらも、一方でなるほど一理あるな、と妙に納得したのを覚えています。迷惑を省みず思いの丈をまくしたてていただけに、冷や水を浴びせられたとまでは言わなくとも、根拠のない自信がたちどころに揺らいだような気分になりました。考えを同じくする人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。アイドルたるもの、まずその存在ありきなわけで、その点、自分も何ら変わりはありませんし。
もうひとつは、松浦さんが出演した「きよしとこの夜」を実際に観覧した際に、期待したほどの感動が得られなかったことです。あくまでゲストでしたので時間が短く、また、おそらくポップスの演奏者でなかったことから質の問題もあったことと思いますが。さらに付け加えると、昨年ソニンさんのライブを観に行ったことも影響しています。曖昧な記憶によると、サンプラー込みの4人編成でした。ハロプロを離れて以降の、比較的落ち着いた聴かせる曲調が半数を占めており、それゆえか持参したサイリウムを持て余している観客が見受けられました。そして盛り上がったのはEE JUMPの曲。ハロプロの多くの曲は積極的にダンスが盛り込まれている(美点)ゆえに生演奏での再現が意図されていないでしょうし、そうでなくともEE JUMPなぞはヘンテコな曲が多いように思います。それゆえか、当該曲の演奏に関しては自分の耳には微妙に聴こえなくもなかったのですが、知名度も手伝っていることとはいえ最も会場が沸いたのは皮肉といえば皮肉な話。ソニンさんの歌声は素晴らしく、ライブは良かったのです。しかし、バックバンド然とした演奏の印象がどうにも薄く、生バンドにすれば事足りるという発想は短絡にすぎないのではないかと、その難しさを思い知らされた気がしました。スタジオライブの演奏を想像していただければ、当たらずも遠からずといったところでしょうか(それはそれで素晴らしく別に文句はないのですが)。


数曲ならともかく、特に現在のモーニング娘。ベリーズ工房が公演を通して生バンドを従えたところで却って魅力が減じられるに違いありません。たとえば『SEXY BOY』で考えてみても詮なきことは想像するまでもないことです。自分を含めた観客のニーズとも大きく食い違うことでしょう。次のミュージカルは生演奏らしいですし、勝手が異なるといえども踊れないことはない気もしますが、ダンスにも比重を置いているのですから結局は何を魅せたいかによるのだと思います。優劣の話ではなく、彼女達のカッコよさに変わりはありません。ありきたりながら、ゆえに時によりけりと申しますか、現実的な問題を差し引いたとしても単純な二元論で捉えられるものではないのでしょう。その点、小規模ゆえの妙味があるに違いないディナーショーはつくづく名案だなあと思います。
他者のライブでは、ひとつのステージを幾つかの部に分けて、その中でアコースティックコーナーに類する部を設けるという手法をときおり見かけます。これに倣って従来の方法論と折衷するという策が現実的にもベターなのではないでしょうかね。スタジオライブDVDにて、おおよそ原曲に忠実に『LOVE涙色』を再現していたのはちょっとした驚きだったのですが、いずれにしても厳選する必要が出てくるでしょうし、もしやるのであればスタジオライブの3曲というのが妥当なところではないでしょうか。幼少の頃、ピアノを習っていたとか何とか聞いた気がしますので、カントリー娘。と一緒に『渡良瀬橋』とかで演奏に参加したりなんかして。いや、こちらはむしろリコーダーか。そして使用済みリコーダーをスタッフで回し舐めする算段だな。この変態め。キャパが1000人を超える会場ですし、勢いで押し切れないだけに付け焼刃ではヌルくなってしまいそうなので、だからこそ念入りにリハをやっているのかもしれません。ある程度のクオリティはキープしてほしいところです。何様かと。まあ構えることなく過度に期待することなく、松浦さんが新たに踏み出すであろう一歩を目と耳に焼き付けてこようと思っております。さてどうなることやら。冷静を装いつつも、それとは裏腹にめちゃくちゃ楽しみになってまいりました。やべー。