MELTONE(メルトン)のライブを観にいってきました。前回は対バン形式だったのですが、その中でも頭ひとつ抜けているように思えて惚れちまいました。今回めでたく初のワンマンライブとのこと。下北沢にあるCLUB251という小さな会場でしたが、それもまた乙なものです。
アメリカで催されたグレイトフル・デッド関連のフェスティバルに何度か招待されたとか何とかで、そこから察するとおり大別すれば所謂ジャムバンドとなるでしょう。歌モノ中心とはいえ、この手の例に漏れず、どちらかといえば演奏中心の長尺な曲が多くなっております。しかし、展開が明確なためか、はたまたテクノ的な繰り返しの妙があるためなのか、冗長に思うことはありません。奇を衒わないポップで耳に馴染みやすいメロディーに、余裕綽々の達者な演奏。ロック的なアプローチを取っていながら、ダンスミュージックのようでもあり、雑多なジャンルがそれぞれ分離することなく溶解していそうです。自然に体が反応してしまう楽しい音楽ですから眉間にしわ寄せて聴くのはアホらしい。それも磐石の演奏があってこそなのでしょう。


ギター・キーボード・ベース・ドラム編成。あまりエフェクトをかけないクリーンなギターの音色、サイケな彩りを添えるキーボード、黙々とボトムを支えるベース、主張のあるドラム。がっちりと噛み合っていながらも、それがこれみよがしでないだけに却って上手さが際立ちます。中盤でSPECIAL OTHERSのギタリストがゲスト出演する場面もあり。繰り返しになりますが、ポップなメロディーと高揚感がキモでありまして、その点、一見さんお断りとでも言いたげなバンドとは異なり、間口の広さがあるように思います。つまりメジャー性があるということ。ルックスもいいですし。特異性を前面に押し出す演奏というのもカッコいいものです。けれど、難解さを殊更に愛でる趣味のない自分のような者が聴き手である場合が多いのですから、わかりやすさを中心においていただけるのは、こちらとしてもありがたい限りです。かといって単純すぎるわけでもなさそうなので、本当は深いんでしょうけど。
ポップであり続けるということは、こちらが考える以上に困難なことなのかもしれません。技術がありそうなだけに、デロデロの難解な演奏に走ることはおそらく容易なのでしょう。しかし、そこは何とか踏みとどまってほしい、現状のように歌を聴かせられるバンドであってほしい。ギクシャクとぎこちなく踊りながら、そんな勝手なことをふと思ったりもしました。ステキなライブでした。感謝。