ヤングマガジン誌のインタビューで彼女はこう答えています。

−音楽はどんなの聴いてるの?
洋楽も聴くし、Jポップも好き。今「オールナイトニッポン」をやらせていただいていることもあって、ジャンルにこだわらず音楽はなんでも聴きます。最近は女性ヴォーカリストの曲、それも自分で曲を作られている方の作品を多く聴いているかも。

オールナイトニッポンがはじまった頃からでしょうか、少しずつですが上記のような言及が増えてきたような気がします。あえて洋楽とJポップを分けて強調する意味がよくわからないけれど、まぁそれはどうでもいい。当番組で流される曲にはあらかじめ或る程度の方向性が定められているに違いなく、ヒットチャートの常連というよりは、現在売り出し中の曲が流されることが多いように思います。彼女の趣味性や嗜好が反映される余地はあまりないのかもしれませんが、これもラジオの特性なのかもしれないと勝手に納得すると同時に、個人的に重宝してもいます。何より彼女が律儀に付すコメントが楽しみ。ハロプロの曲の後に「勝手にしやがれ」の新曲(インスト)が流れたのには笑いましたが。
幅広く聴くのが偉いなどと言うつもりはありません。そんなものは十人十色です。浅く狭くをモットーとする自分が何をほざいてもムダというものですが、しかし、話術の研鑽もさることながら、彼女がいち歌い手である以上、そうした経験は決してムダとはなりますまい。実際、上記の発言から察するに、こちらが思っているよりも意味あるものとして機能していることが伺えます。とはいえ、最も楽しみなのが彼女自身の選曲であったりします。それらを思い出せる限り挙げると、シンディー・ローパー『Girls Just Want To Have Fun』、寺尾聡『ルビーの指輪』、ブリーフ&トランクス『ペチャパイ』、久保田利伸LA・LA・LA LOVE SONG』、米米クラブ浪漫飛行』など。ん?、ベタといえばベタではあるけれども、19歳とは思えぬ渋い選曲なり。本人曰く、親の影響を受けているとのことですが、それにしても一部からはおっさんの臭いすら漂っています。そういえば、とあるラジオ番組では、年配のパーソナリティーの方と『ルビーの指輪』で盛り上がってましたし、その他にも自分の世代と思われる曲もあるような。やはり年齢詐・・・いや、なんでもありません。本人は開き直って随分前からネタにしてますが。
その一方で、ドリカムが好きでライブに足を運び、楽屋訪問までして吉田美和に会えたことを嬉々として語ったり、またBOAaikoのライブを観に行ったりと、なかなか尻尾を掴ませぬところもあります。計算づくの所業だとすれば末恐ろしい限りなれど、どうであれ、掌で転がされるのもまた楽しというものです。当方、ドMですから無問題。時にこちらが興醒めしそうなほどに超現実的な側面があって彼女の頭の良さが垣間見えたり、逆にずっこけそうな場面もあったりと、なんだかんだで興味の尽きるところがありません。今後もおもろい選曲を期待してます。