気がつけば行きも行ったり松浦亜弥のソロライブだけで5回。過去最多。同じライブを繰り返し観て何が楽しいのか、我ながら狂ってるよなぁと思わないでもありません。いや、きっとこれは幸せなことなのである、ありがたやありがたや。いいカモにされているとも言う。
これまではライブ目的では神奈川・東京から出たことがなかったのに、熱愛報道がなされた直後は、野次馬根性丸出しとはいえ、いそいそと熊谷公演に駆けつけたものでした。そして大量の空席が出るのではと噂された名古屋公演では、その出回っていたチケットの安さに釣られたのを棚に上げ、かえって高くつくことは明白なのに、せめて埋め草のひとつにでもなればとか何とか厚かましい言い訳を付与して足を伸ばしたものでした。フツーに8割近くは埋まっていたので拍子抜けしましたが。遠征とか意味わかんねーと言っていたはずなのに、このザマはなんだと頭を抱えることは多々あれども、誰のためでもなく自分が観たいから行ったにすぎないので後悔はありませぬ。甲斐あってそのどれもが本当に思い出深いライブとなりました。もはや時機を逸したのでダラダラとは述べませんが、アンコール前に歌われる『Your Song』では、松浦亜弥の成長が感じられたような気がして涙ぐむことも幾度かあったほどです。なんだそれ。キモい。キモすぎる。誰か助けてー。とにもかくにも、ありがたやありがたや。


既に影響が露骨に出はじめているのか、それとも今後予測される事態への予防策なのかどうかはわかりませんが、ライブ中のMCにおいて弱気かつ内向きな発言がやや目立ってきています。「支えてやってください」は観客との距離が急速に縮まりはじめたと言われる昨年頃から用いていたものの、「見捨てずに」や「求められる限り歌い続けたい」などは今ツアーで初めて耳にするものでした。思えば、座間公演のMCで「今日のライブの約9割がファンクラブの会員だ」と述べる一幕がありました。ファンクラブイベントでもあるまいし、と驚いたのを覚えています。遅かれ早かれ、また程度の差こそあれ誰にでも訪れることであろうけれども、もはや関東ではここまで進みつつあるのかと少し寂しくなったものです。そうした状況を鑑みるに致し方ない面はあるでしょうし、また、その媚びを含んだ発言もさらっと述べていただけなのでいちいち目くじらを立てるほどのものではないのかもしれません。それでも、台本であろうとなかろうと、できればそれは今回限りにしていただきたいものです。松浦亜弥松浦亜弥である限り、そして己が存在の或いは歌い手としての矜持を失わぬ限り、別段支障はあるまいと自分は楽観視していますし信じてもいます。いつしか善意の名の下に築き上げられた無形の壁、それによって隙間なく囲い込まれつつある現状において、彼女達の放つ光が漏れ伝わる機会はあまりないのかもしれません。いかにプロとはいえども、そりゃ見渡す限りええ歳こいた野郎共では時に虚しくもなろうものであり申し訳なく思いもするけれど、それでも自らの手で閉ざさないでほしい、自分の如きファンもどきの都合よき玩具たることに甘んじず常に外を覗う視点を持っていてほしい。誰に構うことはない、精一杯に胸をはろうぜ。「歌で勝負したい」と述べたその意地が垣間見られたステキなライブでしたから。
最終公演を前に腰を痛めステージ上で崩れ落ちたと風の噂で聞きましたが、それでも大過なく終えることができたようで何よりです。すぐにキャプテン公演が始まるので息をつく間もないと思います。とりあえず皆様方お疲れ様でした、どうかご自愛ください。キモいなぁ、何サマだ。