今さらだけどMステ800回SPの話題。
往年のアイドル特集を織り交ぜることで今をときめくオレンジレンジを含めた野郎共を体よく後方席に追いやり、工藤静香aiko中島美嘉大塚愛松浦亜弥タモリと同列の最前席に陣取らせる何とも露骨な、もといテレビ栄えする演出でありました。彼らのファンはさぞ御立腹でしょうが当方の知ったことではありません。これも運命。粋な計らいです。


先述した女性陣の中では唯一の十代である松浦さんですが、何の違和もなく場に溶け込むその臨機応変ぶりはさすがの一言です。瀬戸朝香を彷彿させる髪型のせいか、はたまた衣装のせいか、これだけを見れば、実は25歳でしたテヘッと申告されたとしても頷けるほどの、どこぞのマダムの如き貫禄。小綺麗な犬をひざに乗せていれば完璧でした。惜しい。それでいて、ちょっとした下ネタや、一歩間違えれば羞恥プレイと化しかねないカメラ目線もなんのその。ファンのみみっちい欲望を見事に顕現させてやまない変態タモリの要望にこうも過不足なく応えられるのですから、そりゃあ前面に押し出さない手はありません。もはや彼女のことを「かわいい」と評さねばならぬ強制力をもった空気すら生じているように思えます。すげー。
さて肝心の『ずっと好きでいいですか』。微妙にダサいリズムやサビで主旋律をなぞるキーボードに、意図的なものとはいえ何とも言えぬ古めかしさや安っぽさを感じないでもなく、勝手なことを言えば、もうちょい凝ったコーラスワークだったらなぁと思ってしまいますが、CD音源なき現状で特に申し上げることはありません。決して易しくはない歌謡曲的であろうメロディを歌い上げる彼女の歌唱、またスパニッシュギターのソロや後方で微かに鳴るギターなど当楽曲に力が入っていることは明白であってイチャモンの付け所はなく、何だかんだ言いつつもフツーに良い曲だと思っている次第です。つい穿った見方をして言葉を濁してしまうのは、編曲者の一人であるDAICHI氏に対して自分が抱いている偏見のためなので、それ以上の他意はありません。安定感のあるパフォーマンスでした。それにしても綺麗になりましたな。おじさんは嬉しい。


一方の中島さんは毎度のことながら能面の如し。時に何やかしらが怪しかろうとも、あの得もいわれぬ雰囲気と歌声があればトークなんぞどうでもいいのです。根岸孝旨氏の人選がやや不可解ではあるものの、メンツ豪華すぎの新作アルバムが楽しみです。松浦さんとの共演を奇貨として、どさくさに紛れてCHOKKAKU氏をハロプロに招聘できないものでしょうか。なにとぞ御一考を。いついつまでも色よい返事を頂けるまでお待ちしております。